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コエンザイムQ10は老人性難聴の進行の抑制に役立つ

コエンザイムQ10の抗酸化作用が老人性難聴を引き起こす遺伝子の発現を抑制する

老人性難聴はBak遺伝子の影響で引き起こされる

老人性難聴は、聴力を司る蝸牛の血管障害や、聴神経の機能低下など様々な原因が重なることで起こると考えられています。
また、東大大学院農学生命科学研究科の染谷慎一特任助教らの研究により、老人性難聴の発症には、細胞死を促進させる「Bak遺伝子」が必須であることが解明されたのです。

このBak遺伝子は、活性酸素(※1)によって起こる酸化ストレスで活性化されます。
(※1)活性酸素は、酸素を吸うことで自然と発生し、体内に入り込んだ菌を退治してくれます。しかし、ストレスなどの影響を受けると活性酸素は大量に発生し、健康な細胞を酸化させます。

「細胞のエネルギー工場」とも呼ばれるミトコンドリアは、活性酸素による攻撃に弱いという特徴があります。
このミトコンドリアにおける酸化ストレス(※2)の増加が、Bakの活性化を誘導して老人性難聴を引き起こすといわれています。
(※2)酸化ストレスとは、活性酸素による酸化によって細胞が傷つけられることをいいます。

コエンザイムQ10が活性酸素による影響を抑制する

コエンザイムQ10には、活性酸素の影響を抑制する「抗酸化作用」があります。
実際に行われた研究では、コエンザイムQ10を摂取した動物の蝸牛組織を調べたところ、蝸牛の神経細胞の消失やBak遺伝子の発現が抑制されていたことが報告されています。

このように、コエンザイムQ10の抗酸化作用によってBakが抑制されれば、老人性難聴の発症を遅延することが叶うのです。
しかし、こちらはまだ研究段階であるため、今後の研究報告に期待できます。

コエンザイムQ10の働きが血流を良くして難聴の進行を抑制する

難聴の進行を遅らせるためには、耳の血流を良くすることが大切です。
耳の血液の流れが悪くなってしまうと、脳や聴覚器官などへの神経伝達がうまく行われなくなります。また、血流が悪いと栄養が十分に行き届かなくなり、聴覚器官などの働きも低下してしまうのです。

このように、血流の悪化は難聴に繋がってしまう恐れがあります。
コエンザイムQ10には、血流の改善に役立つ以下のような働きがあります。

抗酸化作用で血流を悪化させる酸化LDLの発生を抑える

血流を悪化させる原因は、喫煙や偏った食事など生活習慣が関係しています。特に、脂の摂り過ぎやアルコール、タバコなどは血液をドロドロにする原因にもなります。

また、体内で過剰に発生した活性酸素も、血流に悪影響を与えます。
活性酸素は、酸素を利用して代謝が行われる過程で自然と発生し、体内に侵入した細菌などを退治してくれます。しかし、喫煙やストレスなどの影響を受けると、活性酸素は体内で大量に発生し、健康な細胞まで酸化させます。

血液中の悪玉コレステロールが活性酸素によって酸化させられてしまうと、「酸化LDL」に変わります。この酸化LDLは、白血球のマクロファージが取り込んで処理しますが、限界まで取り込むとマクロファージが破裂してしまいます。
その残骸が溜まって血管の内側が狭くなると、血流も悪化してしまうのです。

コエンザイムQ10には、活性酸素を除去する「抗酸化作用」があります。
そのため、コエンザイムQ10を取り入れることで、活性酸素の影響を抑制することが期待できます。このコエンザイムQ10の抗酸化力によって、過剰に発生した活性酸素による影響を抑えられれば、酸化LDLの発生を抑制して良い血流を維持することができるのです。

体温維持に必要なATPの生産を活性化する

血流を良くするためには、冷えを防いで体を温めることも大切です。体を温めることで、毛細血管が拡張され、血液が全身にしっかりと行き届くようになります。

また、体温を維持するためには、ミトコンドリアがつくり出す「ATP(アデノシン3リン酸)」が必要です。
このATPは、体内の様々な活動において必要とされるエネルギーであり、体温を維持するためにも使われています。ですから、ミトコンドリアがATPをうまくつくり出さないと、体温の低下にも繋がってしまいます。

ミトコンドリアがATPをつくり出すためには、ミトコンドリアの働きを助ける役割をもつコエンザイムQ10が必要不可欠です。そのため、体内のコエンザイムQ10の量が不足してしまうと、ミトコンドリアの機能が低下して、ATPの生産量も減ってしまう恐れがあります。

体内で生産されるコエンザイムQ10の量は、20歳でピークを迎え、その後は加齢に伴って減少していってしまいます。ですから、ATPの生産を活性化させるためには、コエンザイムQ10をサプリメントから補給すると良いでしょう。

コエンザイムQ10によってATPの生産量が高まれば、体温を維持することが叶います。そして、体温を維持して血流の悪化が抑えられれば、難聴の進行も抑制することができるのです。

まとめ

コエンザイムQ10がもつ働きは、老人性難聴の進行の抑制に役立ちます。
しかし、老人性難聴は一種の老化現象であるため、コエンザイムQ10を摂取したとしても完全に治すことはできません。

老人性難聴の進行を遅らせるためには、まずストレスを溜めないことや血流を良くすること、音量が大きいものを避けることが大切です。
コエンザイムQ10は、あくまでも老人性難聴の進行の抑制をサポートしてくれるものとして考えると良いでしょう。

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