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パーキンソン病の進行の抑制をサポートするコエンザイムQ10の力とは

ATPの生産をサポートして脳細胞を守る

なぜATPの生産量が上がるとパーキンソン病の進行が抑制されるのか

パーキンソン病とは、神経伝達物質であるドーパミンを分泌する神経細胞が変性し、ドーパミンを分泌できなくなる病気です。
このドーパミンは、細胞間の情報伝達を介在する神経伝達物質の一つであるため、減少してしまうと体の運動機能に障害がでる恐れがあります。
また、パーキンソン病が進行してしまうと、精神の安定をもたらすセロトニンなどの分泌にも悪影響を与え、睡眠障害などが現れる場合があります。

パーキンソン病は、高齢になるほど発病する確率が高まりますが、原因はまだはっきりと解明されていません。このため、パーキンソン病を確実に予防できる方法は存在していないのです。

しかし、京都大学の垣塚彰生命科学研究科教授の研究グループは、生命の活動に不可欠なエネルギーであるATP(アデノシン3リン酸)のレベルを維持することによって、パーキンソン病といった神経変性疾患で影響される脳細胞を細胞死から保護することができると考えられています。

このATPは、食事などから摂取した糖質・脂質・タンパク質などの栄養素が、細胞内に存在するミトコンドリアの働きによって変換されることでつくり出されます。
疾患の初期段階でのATPの減少は、細胞や器官の機能を低下させる原因となります。そしてさらにATPが減少してしまうと、細胞死や臓器不全をもたらし症状に繋がってしまうのです。

このようなことから、ATPレベルを調節することで、疾患の進行を抑制させることができる可能性があると考えられています。しかし、まだ研究段階でありますので、今後の研究報告が期待されます。

コエンザイムQ10がATPをつくるミトコンドリアの働きをサポートする

ミトコンドリアがATPをうまくつくり出すためには、ミトコンドリアの働きをサポートしてくれるコエンザイムQ10が必要不可欠です。
そのため、体内のコエンザイムQ10の量が不足してしまうと、ミトコンドリアがうまく働くことができなくなり、ATPの生産量も減ってしまうのです。

体内でつくられるコエンザイムQ10の量は、20歳でピークを迎え、その後は加齢とともに減少していってしまいます。ですから、サプリメントなどからコエンザイムQ10を意識的に摂取して補うことが大切です。

コエンザイムQ10を十分に補うことによって、ミトコンドリアの機能が高まり、ATPの生産量のアップに繋がります。

抗酸化力でATPをつくるミトコンドリアを守る

活性酸素がミトコンドリアに与える影響とは

パーキンソン病は、ドーパミンを分泌する神経細胞が何らかの原因によって変性することで、ドーパミンを分泌できなくなってしまう病気ですが、その原因はまだ明らかにはされておりません。

しかし、そんな中で多くの論文において、「ドーパミン分泌神経細胞内のミトコンドリアの酸化劣化変性」が話題となっています。
また、多くの研究機関が、ドーパミン分泌神経細胞内のミトコンドリア内の活性酸素(※1)を除去するためにはどうしたら良いのか研究を進めています。

(※1)活性酸素は、呼吸によって酸素を吸うことで自然と発生し、体内に入り込んだ細菌やウイルスと戦う役割を果たします。しかし、喫煙やストレスなどの影響を受けると活性酸素は大量に発生してしまい、健康な細胞までダメージを与えてしまいます。
ミトコンドリアは、この活性酸素による攻撃に弱いという特徴があります。

また、ミトコンドリアが活性酸素によってダメージを受けてしまうと、ATPをつくり出す機能も低下し、ATPの減少に繋がってしまいます。そして、ATPの減少は、細胞死や臓器不全にも繋がってしまう恐れがあるのです。

コエンザイムQ10には活性酸素を除去する強い抗酸化力がある

コエンザイムQ10には、活性酸素を除去する強い抗酸化力があります。このため、コエンザイムQ10を十分に補うことで、体内で増えすぎてしまった活性酸素による影響を抑えることができます。

しかし、コエンザイムQ10は脂溶性であるため、吸収率が良いとはいえません。
また、ドーパミン分泌細胞内のミトコンドリア内の活性酸素を除去する方法は、まだ解明すべき部分も多くあるのです。
そのため、コエンザイムQ10には強い抗酸化力はありますが、ドーパミン分泌細胞内のミトコンドリア内でも十分に力を発揮できるとはいいきれません。

ですから、パーキンソン病の進行を抑制するためにコエンザイムQ10を取り入れたいとお考えの方は、自己判断せずに必ず医師に相談をすることが大切です。

おわりに

米国では、酸化型コエンザイムQ10がパーキンソン病の進行を遅延させることが報告されいます。
また、日本でも株式会社カネカが順天堂大学医学部脳神経内科の服部信孝教授と共同で、還元型コエンザイムQ10のパーキンソン病患者に対する臨床研究を、2009年4月から行われています。

このように、コエンザイムQ10はパーキンソン病の進行の抑制に役立つと考えられていますが、まだ研究段階であるため今後の研究報告が期待されます。

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